バラの研究や記事のデータ
    バラの香り成分に「抗うつ」効果 
        川崎医療福祉大グループが確認
 (2018/11/9)
バラの主要な香り成分フェニルエタノールに抗うつ効果があることを、川崎医療福祉大医療技術学部の上野浩司講師(神経生理学)らの研究グループが突き止めた。フェニルエタノールを吸わせたマウスは、ストレス環境下でうつのような状態になりにくいことを確認。精神疾患の新しい薬や治療法の開発につながる成果として期待される。

 これまでにもバラの香りが人間のストレスホルモンの分泌を抑える働きを示す研究成果が報告されているが、上野講師によると、どの成分が作用しているかは明らかになっていないため、グループは香水や化粧品などに使われるフェニルエタノールに着目し効果を確かめた。
 実験では、密閉空間で15分間フェニルエタノールを吸わせたマウスと、何もしていないマウスのしっぽをそれぞれテープで固定し、逆さづりのような状態にして10分間放置。うつ傾向を示す行動で、あがくのをやめて動かなくなる「無動時間」の長さを調べた。
 10匹ずつ計20匹を比較したところ、通常のマウスは動かなくなる時間が平均して約8分間あったのに対し、フェニルエタノールを吸わせたマウスは2分〜1分半短かった。グループは「フェニルエタノールがストレスを緩和させ、抗うつ作用を発揮することを示した実験結果」と分析している。

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バラの成分に不安抑制効果
  ネイチャーテクノ、実験で確認

バイオベンチャーのネイチャーテクノロジー(北海道岩見沢市、刈田貴久社長、0126321563)は星薬科大学(東京・品川)と共同で、バラに含まれる揮発性成分に不安などを抑える効果があることを動物実験で確認した。引き続き安全性試験などを行い、今年度中をメドに健康商品の開発を目指す。
共同実験ではバラに含まれる成分をマウスの皮膚に注入。その結果、不安やストレスを抑えるうつ病抑制効果を確認したとしている。

同社は別の研究機関と動物の腹部に同成分を投与する実験を行ってきた。皮膚に注入した方が血管に直接成分が入りやすくなり、約300分の1の投与量でも同様の効果を得られたという。

2004年6月30日/日本経済新聞 朝刊]

日大先端医学研が確認
日本大学先端医学総合研究センターの羅智靖教授らの研究グループは、バラからの抽出物が鼻詰まりなど花粉症の症状をやわらげることを確認した。抽出物がアレルギー反応を引き起こす抗体反応を妨げるという。企業へ技術移転し、機能性食品や化粧品、入浴剤などへの利用を目指す。花粉症などのアレルギーを抑えるのは「オイゲニン」と呼ばれる物質。スギ花粉などの抗原がアレルギー反応を引き起こす体内の物質と結びつくのを妨げる。15人のアレルギー患者に抽出物を錠剤にし、1日500ミリグラムを1カ月間服用してもらったところ、症状が和らいだという。抽出物は花のほか茎や葉など観賞用に利用しない部分からも取り出せる。抽出する際に特殊な薬剤は不要で、温水によって抽出でき大量生産も容易。食品や化粧品などにも混ぜられる。

               [2004年2月13日/日本経済新聞 朝刊]

バラからの抽出物「オイゲニン」、花粉症を緩和






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